RPA と ERP の親和性について

いきなりですが、常々 ERP と RPA は親和性が高いと思っています。そのうち絶対誰かが"ERPA"とか言い出すハズ・・・

というのはさておき、私はERPをきっかけにIT業界に入り、メインフレームSEを経てERPのPMやコンサルに約15年強従事したのちRPAに携わっているERP愛好者です。

ERPとRPAの組み合わせは、システム面ではRPAはERPの弱みを埋め、人材に求められるスキル面では強みが活きる、そう感じるからです。 本ブログでは、RPAとERPの親和性について詳しく書いていきましょう。

ERP とは?

"ERP"という3文字略語が出てきてから早4半世紀が経ち、今では業務システムに従事して入れば一度は耳にしたことのある単語ではないかと思います。

知らない方のために少しご説明すると、ERPとは「Enterprise Resource Planning:企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。」と定義されています。

日本語では「企業資源計画」と訳されていて、由来は生産管理のMRP(資材所要量計画)です。

そもそもは経営手法であって、これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェア、統合基幹業務システムを「ERPパッケージ」と呼ぶのですが、このパッケージそのものがERPと、割と誤解されている気がします。 ERPに関するご説明はこれくらいにして、本題に入ろうと思います。

ERP と RPA との人的な親和性について

まず、私はERPの経験が長かったのですが、いまRPAを推進する中でかなりその知識や経験が活きています。

と言うのは、ERPを扱っていると色々な業務や周辺システムに携わりますし、企業機能やプロセスのベストプラクティスの塊ですので、業務改革や業務改善をセットで行うことも多いです。

そして、RPAも非常に広範な業務やシステムを対象に自動化を行ったり、事前の業務プロセスの見直しの重要性が注目されています。

また、RPAで自動化したい多くの業務は基幹システム周辺で起こりますので、自動化を効率的に要件定義する前提となる業務知識はERPで必要になる業務知識とかなり近いものになります。

そのため、色々なERPやシステムを触った方、特にベンダー側でもユーザー側でも推進に関与したことのある方は、思う存分その知識や経験をRPAの導入推進でも活かせるなと感じています。

ERP と RPA とのシステム的な親和性について

ERPはスクラッチ開発に比べると導入コストが安く導入期間も短い、と言うのはよく言う話ですが、この前提に「アドオン・カスタマイズは極力避ける。業務をシステムに極力合わせる」という話もついて回ります。

一方で、「コアコンピタンスは独自性があるものなのだから、パッケージでまかなえるようなものではない。」という考え方や実態もあります。

是非についてはここで多くは語りませんが、少なからず言えるのは

「アドオン・カスタマイズは、事前事後の検証が死ぬほど大変」

ということに尽きると思います。

なぜかと言えば、データベースの項目ひとつに外から物理的に(画面からではなく)値を入れたとしても、その項目が広範なシステムのどこでどう使われているか分からないですし、仕様書はパッケージそのものですから基本は公開されませんし、されたとしても、「ここでこの項目をこの値にすると、後でこういう影響が出る」なんてことまで書いてある仕様書はありません。

と言うか情報量や関係者が膨大過ぎて書けません。

例えば見積データの裏にあるフラグをオンにしたとしても、財務諸表まで一気通貫で検証してみないといけない、という事態になるのです。

そのため、アドオン・カスタマイズに関する開発費用が多くなりがち、なんですね。

ここでRPAの出番、となります。

RPAは一般的に画面操作を人に代わってソフトウェアが行います。

つまり、人が入れていることをロボットさんが代わりに画面を使ってやってくれている訳です。

ここに大きなポイントがあります。

通常の業務用アプリケーションと言うのは、人が入れた数値が後々問題になるような値はエラーで許容しない、というエラーチェックが組み込まれています。

例えば与信チェック、とかですね。

更に言ってしまえば、おかしなデータが後々生成されないようにそもそも設計され、開発され、既にがっちりテストされています。

そんな訳で、通常みなさんは後の業務やデータの整合性などを考えずに画面で入力が出来ているわけですね。

ところが、データベースに直接値を投入しようとすると、これらの恩恵にあずかることが出来ずに上述したように設計のし直しに近いことを行ったり、テストをしたりする必要が出てくるのですが、RPAで画面から入れる分には少なくとも人が入れてエラーになることはエラーで値は入れられず、入れてしまえばその後のデータは以前のテストで品質担保されている訳です。

つまるところ、RPAが人と同じ振る舞いでERPと連携する分には何も気にしなくて良い。けれども、他システムがERP連携しようとすると、その影響をテストするのでとても難儀する、従ってRPAとERPがシステム的に、特に拡張性の部分で親和性が高いとも言えます。 他にも挙げ始めるとご飯3杯くらいイケるのですが、本日はここまでにしておきましょう。

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